本の感想などをつらつらと。


by nino84
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『オイディプス王・アンティゴネ』

『オイディプス王・アンティゴネ』(ソポクレス)を読みました。訳者は福田恆存。

また戯曲です。今回は古代ギリシャ時代の三大悲劇作家の1人ソポクレスの作品で、もちろん悲劇です。ちなみに、高校ではソフォクレスで覚えた気がします。
ちなみに、本書は、『オイディプス王』と『アンティゴネ』という2作を収録しています。また、複数の作品の感想を書くことになって、どうなるか不安です。とにかく、一作ずつ書きます。

『オイディプス王』
古代ギリシャの都市テバイは混乱していた。王であるライオスが死に、都市ではスフィンクスによって次々に市民が殺されていたのである。結局、ライオスの死はスフィンクスの脅威の中、留め置かれ、忘れられ、そのスフィンクスはオイディプスによって退けられた。そして、オイディプスはテバイの王となった。しかし、平穏は長く続かず、テバイを疫病が襲った。
オイディプスはライオスを殺した者が災いをもたらしているという神託を受ける。一体、ライオスを殺したのは誰なのか…

すいません。第一段落は前振りですが、そちらが長くなってしまいました。

また、オチを知っている人も多いと思いますが、詳細は伏せておきます。個人的には、運命があらかじめ決まっているというのは信じたくないものですが、結局人は神には勝てないのだというオチになっています。読後感がすっきり、とはいきませんでした。そもそも、悲劇にすっきりするというのもおかしいのですが。
以前どこかで悲劇には喜劇の要素はいれず、喜劇には悲劇の要素をいれない、ということを読みました。そういった、古典的なルールに従えば、推理劇も交えられているものの、まさしく悲劇であるといえるのでしょう。


『アンティゴネ』
オイディプス王亡き後のその娘アンティゴネを主人公とした作品です。

オイディプス王亡き後、その後継として叔父であるクレオンを摂政として、オイディプスの息子たちが王となっていました。しかし二人の息子はともに王座を争い、共に果てた。そして、急遽クレオンが王となった。
クレオンはオイディプスの息子の一人を反逆者とし、正式に葬ってはならぬとした。しかし、その処遇に耐えられず、アンティゴネは兄を正式に葬る。そのため、アンティゴネはクレオンに罰せられることになるのだが…

こちらにもやはり神託を曲げられず、神には勝てない人間ということになってしまっています。クレオンとアンティゴネ、どちらに肩入れするかは意見が分かれるところでしょう。個人的には、クレオンの処分も致し方なしと思ってしまいます。結局最後はクレオンが折れるのですが、そこは悲劇なので、いろいろあります。


それにしても、オイディプスの家系は不幸です。末代まで呪ってやる、という感じなのでしょうか。ちなみに、『オイディプス王』にもクレオンが出てきます。しかし、『アンティゴネ』では性格が少し違うので、違和感がありました。
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by nino84 | 2005-12-29 10:26 | 読書メモ