本の感想などをつらつらと。


by nino84
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『ドン・ジュアン』

『ドン・ジュアン』(モリエール)を読みました。訳者は鈴木力衛さんです。

『ガラスの動物園』につづき戯曲です。かつて ―おそらく『存在の耐えられない軽さ』だったと思いますが― ある作品で「ドン・ジュアン」という固有名詞を見ました。当時はもちろん、この本を読むまでドン・ジュアンなる人物がどういったキャラクターなのかを知らなかったのですが、比較的有名なキャラクターだそうです。作品としてはモリエールの代表作です。

作品としては、放蕩者のドン・ジュアンがことあるごとにその思想を武器に人とたたかう、という喜劇です。あらすじが書きにくいのですが、それは場面がとびとびでどこに話の中心があるのかわかりにくいからでしょう。ドン・ジュアンという人物を描きたかったという事であれば、彼のいろいろな部分が表れていますから、そうやって納得しました。実際にどのような評価をされているのかは知りません。

基本的に喜劇ですから、セリフのなかに当時の人の関心事が随所にちりばめられています。いわゆる時事ネタというものですね。そういうものがわかりにくいというのは難点ではあります。しかし、好色・偽善者といったドン・ジュアンの性格は普遍性があり、そこが話の中心とみえますから、現代でも十分に楽しめる作品だとおもいます。
ドン・ジュアンが二人の女性に迫られ、それをいなす場面や、無神論者である彼が改心したと見せかける場面などはやはり面白いですね。実際にはあり得ないような気がするのにあるあると思ってしまうような場面だからでしょうか。


戯曲も読み慣れてきました。といってもまだ2冊ですがね。問題なのは、分量の割に読むのに時間がかかる事です。それでも「良い方向」に読書の幅が広がった気がします。
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by nino84 | 2005-12-23 10:28 | 読書メモ