本の感想などをつらつらと。


by nino84
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『ガラスの動物園』

『ガラスの動物園』(テネシー・ウィリアムズ)を読みました。

実は人生で初めて読む戯曲です。作品の冒頭に序文にかえて「上演のためのノート」が書かれていて、戯曲がどのようなものなのかを簡単に示してくれていたため、入り込みやすかったと思います。初心者には良い序文でした。

母とその娘と息子の3人のやり取りが描かれている。…ということにまとめられてしまう作品ですが、これは別に内容が薄いといっているのではありません。関係を中心に描いているため、話の筋は中心に据えられていないのではないでしょうか。

作者は登場人物の1人に「追憶の世界だから、舞台はほの暗く、センチメンタルであって、リアリスティックではありません。」といわせています。とはいえ、母はその子どもたちを心配する。その一方で、その子どもたちは母の干渉を邪魔なものと感じる。このようなことは往々にしてあることでしょう。
「現実っぽくない」のと「現実を描く」のはやはり少し違うことです。この劇は現実を上手く描き出していたと思います。


また、この作品は戯曲ですから、上演されることを前提に書かれたものです。そのため、登場人物の説明があります。かなり微妙なことが書いてあるのですが、役者というものはこういうものを手がかりに役作りをするのですから、難しい職業なのでしょうね。
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by nino84 | 2005-12-13 10:29 | 読書メモ