本の感想などをつらつらと。


by nino84
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『自閉症だったわたしへ』

『自閉症だったわたしへ』(ドナ・ウィリアムズ, 1992)読みました。翻訳は河野万里子さんです。

著者は自閉症の女性です。この作品は、それまで研究者が一方的に「自閉症の人はこうだ」としていたなか、初めて自閉症の女性が書いたという点で希有な作品である。


僕は自閉症であったり、ダウン症であったりする人たちと行動をともにすることがある。僕は彼女の警告するようなことを気にしているだろうか。そう考えてみたが、僕はそうした行動を取ってはいない。いや、正確にはほとんど気にしたことはない。
気にしなくとも、一緒に活動できるからである。

彼らが社交性の高い自分を演じているとすれば、僕はそれを見抜けていない。しかし、演じている状態で安定しているのならば、それでも良いのではないかと思う。彼らがそれで安定しているのならば、むしろそれを壊すことの方が、僕には恐ろしいことのように思える。だから、現在の活動が続いていき、僕の役割が変わらない限り、僕はこのスタンスを変えることはないだろう。

といって、彼女が書いた本を読んだことが無駄であるとは全く思わない。それは自閉症の人が考えることを多少なりとも知った上でスタンスを変えないのと、知らないでそのままにしておくのとでは、雲泥の差があると感じるからだ。


余談ですが、本書の原題は”NOBODY NOWHERE” です。まぁ、日本語にするのは難しいので邦題が付いたのでしょう。でも、『自閉症「だった」…』ってのは、誤解を招く気がする。自閉症の症状はその人の特徴として捉えられるものであって、治るとかそういう類のものではないのですが。
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by nino84 | 2005-10-06 10:36 | 読書メモ