本の感想などをつらつらと。


by nino84
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『存在の耐えられない軽さ』 ―映画―

『存在の耐えられない軽さ』(アメリカ、1987)見ました。

収録時間171分にもかかわらず、カットされた場面が多くあります。とはいえ、場面がカットされた結果として、よりトマーシュとテレザの恋愛物語だというのが、強調されています。

分かりやすくなった、といえばそうなのでしょうが、内容が薄くなったことも否めません。

原作では、サビーナとそのスイスでの恋人であったフランツの存在についても、詳しく触れていました。しかし、映画では、おそらく収録時間と映画の流れの問題でしょうが、彼女ら(特にフランツ)については、ほとんど触れられていません。
たしかに、映画でも彼女らの考え方の食い違いは描かれていたものの、それは彼女らが分かれるための複線としてしか機能していませんでした。本来なら、恋愛感情だけでないより深い部分での食い違いが根本にはあるはずなのですが…。

とはいえ、これ以上、収録時間を長くすることはできないでしょうし、思想を映像化するのは難しいのでしょう。従って、落としどころとして、そうしたものになったとしても、それは仕方のないことなのでしょう。


不満が先行してしまいましたが、最初に書いたとおり、トマーシュとテレザの恋愛物語としては、原作よりも、分かりやすくなっています。従って、原作を恋愛物語として読めた人は映画も良い出来であると思えるのではないでしょうか。

また、ソ連のチェコ侵攻時の場面は、白黒の映像(当時の映像含む?)も使用され、かなり迫力のあるものに仕上がっていると思います。(この場面だけは恋愛映画であるということを忘れてください。)

全体的に見れば、よくまとまった、良作なのではないでしょうか。
結局のところ、思想が理解したければ、原作を読めばいいのです。いや、僕は翻訳したものしか読めませんが。
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by nino84 | 2005-09-26 10:57 | 視聴メモ