本の感想などをつらつらと。


by nino84
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『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因』

『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因』(西林克彦、光文社新書)を読みました。

密かにここで新書の感想を書くのは初めてです。ただただ本を読んでいるのもあまり成長が望めないので、タイトルに惹かれて買ってみました。帯によれば、「ドラゴン桜」でも教材になったそうです。受験に最適、とのことでしたがそれにこだわらず普段読書をしている人は読んでみたらどうでしょうか。

僕たちが普段文章を読むときには、その文章のある部分に関する知識が駆動されることなどによって内容が読みとられる。しかし、駆動される知識は常識的でありすぎたり、社会的に望ましいものであったりして、僕たちは時として本来文章に書いてあることとは整合性のない解釈をしてしまうことがある。これに僕たちは気づきにくい。一度解釈されてしまうと、「わかったつもり」になってしまう。その「わかったつもり」をどうやって脱却するかを提案しているのが本書である。

詳しくは知りませんが、茂木健一郎さんが某テレビ番組で良くやってるAH!体験の一種みたいなものかもしれません。ただ、普段の読書にまで応用できるという点でより有用である様な気がします。

長編では最初から応用しづらいので、家にある短編を読み直して、少し考えてみようかと思います。先日『亡国のイージス』に関する感想を書いたときに、少し触れたことですが、「2度読むことで読めなかったことが見えてくる」といった意味の文を書いたと思いますが、2度読むことの重要性を示されたような気がします。結論を知ることで、伏線を拾うことができ、文脈がより了解できる。そのことによって文章の理解が促進されるのでしょう。一方で本書では結論を知ることによる先入観の危険性も指摘されています。しかしそれでも読み飛ばしに気をつけ、一度目と同程度の注意力で読めば、自然と一歩進めるのではないかというのが、僕の体感です。

詩も何編か紹介されていたのですが、そういう読み方ができれば楽しいだろうと思いました。しかしそれがなかなか難しい様な気がするのは、「わかったつもり」になってからの一歩に使える情報量があまりにも少ないからなのでしょう。それでも挑戦してみようかとも思うのですが…。
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by nino84 | 2006-03-10 00:48 | 読書メモ