本の感想などをつらつらと。


by nino84
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『図書館戦争1』

『図書館戦争1』を読みました。

正化31年、メディア良化法によって、出版された図書が厳しく検閲され、回収される時代。図書館の自由に関する法律に基づきそれに抵抗する図書館。両者の対立は、武装しての構想さえも厭わず、図書館は図書隊という部隊を持つに至る。笠原郁は、かつて助けられた図書隊員の影を追って、女子としては異例の、図書隊防衛員に志願。メディア良化隊から、図書を守ることを目指す。

アニメ化もされたシリーズ第1作。表現の自由を取り扱った作品ではあるものの、コミカルなノリ(著者の有川さん曰く、月9ノリでGO)も合間って、読みやすかったな、と思います。

大きな構図は、表現の自由を守る図書隊VSそれを認めまいとするメディア良化隊。そのため、表現の自由について作中で論じよう、という話になるのかな、とも思いましたが、今のところ、大上段にそれを振りかざす、ということはない様子。あくまで、人間関係描写が中心でした。
そもそも、主人公を対立の構図の片側に持ってきているので、描写は偏らざるを得ない。したがって、この作品の構図自体が、それを中立的に論じる、ということを難しくしている面はあるように思います。
また、対立自体がすでに落としどころにあって、現状が停滞している状況も、その議論を進めるという方向性を想像しにくくしていると思います。

ただし、舞台が安定して存在しているだけに、背景としてのこの設定は十分に活かされていると思います。法律に基づき図書館で戦争、というのが、ファンタジーに振り切れることなく、かと言って自衛隊ほどの堅苦しさも抱かせない、バランスになっています。

結果として、この作品の読み方としては、人間関係や、人そのものを中心に据えて、キャラクター小説として楽しむ、というスタンスで読ませていただきました。シリーズものですが、この巻を読み終えた段階では、恋愛小説としての続きが大変に気になる、というところですね。
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by nino84 | 2011-09-15 18:20 | 読書メモ