『ZOO』
2006年 05月 25日
『ZOO』(乙一、集英社文庫)を読みました。
ハードカバーを2冊に分冊し、文庫化したものです。作品の順番なども異なっているはずです。ちなみに、2巻の終わりにはハードカバーの時には収録されていなかったショートショートが追加されています。
乙一さんの作品ですから、当然(?)短編集です。彼の色がとても出ている作品だなという感じです。簡単に言えば、なんでもあり。こ作品は感動する作品、恐ろしい作品、両方を含んでおり、さらに別の系統の作品も収録されています。
ちなみに、文庫化の際に収録された作品の整理が行われたようですので、まともに作品を楽しみたいのなら1巻を、乙一という作家を知りたいのなら2巻をおすすめします。
乙一さんの場合、作品のジャンルが雑多なので、人によって好きな作品が分れるかと思います。そんな中でも、単純にホラーが好きなら「SEVEN ROOMS」が、また感動系のお話が好きなら「陽だまりの詩」がおすすめです。
前者は拉致監禁された姉弟がそこから脱出する顛末を描いたもので、不条理な死の恐怖が伝わってきます。後者は死を看取るために作り出されたロボットが感情を少しずつ理解していき、最終的に死を悼むという感覚を理解するまでのお話です。最後の一ひねりがまた良い味を出してます。
また、バカっぽい展開の作品も乙一らしさがあって良いと思います。この手の作品は2巻に収録(「血液を探せ!」、「落ちる飛行機の中で」)されていますが、他の作品との落差もあって、相当バカな作品に見えてきます。
それから、ミステリっぽい短編は、短編だから仕方がないのかもしれませんが、叙述トリックが安易なのでオチが先読みできたりします。そのあたりはご愛敬ということで。
と、これだけ書いてきてもあまりひとつの作品の中で並ばないジャンル名が並んでいることに気づかれると思います。ホラーあり、ミステリあり、バカあり、ちなみに「陽だまりの詩」がSFですから、SFも含まれています。ジャンルがとても広範囲に渡っていますが、それが乙一さんの色ということなのでしょう。読んでみたら好きな作品がひとつは見つかるのではないかと思います。
ちなみに、文体は軽いので、堅い文章を期待していると大コケする気がします。彼の良いところはジャンルが広範囲であり、かつ読みやすい、すなわち取っつきやすい所なんだろうと思います。
ハードカバーを2冊に分冊し、文庫化したものです。作品の順番なども異なっているはずです。ちなみに、2巻の終わりにはハードカバーの時には収録されていなかったショートショートが追加されています。
乙一さんの作品ですから、当然(?)短編集です。彼の色がとても出ている作品だなという感じです。簡単に言えば、なんでもあり。こ作品は感動する作品、恐ろしい作品、両方を含んでおり、さらに別の系統の作品も収録されています。
ちなみに、文庫化の際に収録された作品の整理が行われたようですので、まともに作品を楽しみたいのなら1巻を、乙一という作家を知りたいのなら2巻をおすすめします。
乙一さんの場合、作品のジャンルが雑多なので、人によって好きな作品が分れるかと思います。そんな中でも、単純にホラーが好きなら「SEVEN ROOMS」が、また感動系のお話が好きなら「陽だまりの詩」がおすすめです。
前者は拉致監禁された姉弟がそこから脱出する顛末を描いたもので、不条理な死の恐怖が伝わってきます。後者は死を看取るために作り出されたロボットが感情を少しずつ理解していき、最終的に死を悼むという感覚を理解するまでのお話です。最後の一ひねりがまた良い味を出してます。
また、バカっぽい展開の作品も乙一らしさがあって良いと思います。この手の作品は2巻に収録(「血液を探せ!」、「落ちる飛行機の中で」)されていますが、他の作品との落差もあって、相当バカな作品に見えてきます。
それから、ミステリっぽい短編は、短編だから仕方がないのかもしれませんが、叙述トリックが安易なのでオチが先読みできたりします。そのあたりはご愛敬ということで。
と、これだけ書いてきてもあまりひとつの作品の中で並ばないジャンル名が並んでいることに気づかれると思います。ホラーあり、ミステリあり、バカあり、ちなみに「陽だまりの詩」がSFですから、SFも含まれています。ジャンルがとても広範囲に渡っていますが、それが乙一さんの色ということなのでしょう。読んでみたら好きな作品がひとつは見つかるのではないかと思います。
ちなみに、文体は軽いので、堅い文章を期待していると大コケする気がします。彼の良いところはジャンルが広範囲であり、かつ読みやすい、すなわち取っつきやすい所なんだろうと思います。
by nino84
| 2006-05-25 00:59
| 読書メモ