本の感想などをつらつらと。


by nino84
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『東京タワー』

『東京タワー』(江國香織、新潮文庫)を読みました。

透は母の友人、年上の女性、詩史に恋に落ちた。耕二も年上の女性、喜美子に夢中だ。どちらも大学生と年上の女性。にもかかわらず、透は相手と共に生きることだけを望み、耕二は相手の体を求めた。


女性作家の作品は久しぶりです。恋愛小説も久しぶりです。オチない作品も久しぶりです。全体的に新鮮な気持ちで読めました。文体が倒置、省略の多い、英語のような文章であったり、セリフひとつで突然回想に入ったりと独特な文体も新鮮に思えたものです。
常に透と耕二のふたりを行き来して物語が展開していくので、対照的なふたつの思考、恋愛をつねに見比べるかたちになっています。その点はなかなか面白いのではないかと思います。

内容に関しては…どうなんでしょうね。つまるところ恋愛なんてものはひとそれぞれですよ。
ただ、「一緒に生きること」が「一緒に生活すること」とほぼ同意となりえても、「一緒に生きること」が「一緒に仕事をすること」にはならないと思う。感覚の問題な気もしますが、ビジネスパートナーはビジネスパートナーだろう、と。生きるだけでも意見の対立があるだろうに、それ以上に対立の軸を持ち込んでどうする。一生ついて行くならそれで良いですけど、それはすでに一緒に生きてないだろう、と思います。
ちなみに、肉欲におぼれていく方は、全く分からないので、評価不能。先ほども言ったけれど、恋愛なんてひとそれぞれですよ。自分で意識できてればいいのではないかな。ただ、この人は意識できてなかったみたいでしたが。


ところで、この作品は映画化されてるんですよね?場面の転換が多いので映像向けだとは思いました。何を言っても、結果論でしかありませんが。
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by nino84 | 2006-05-28 22:36 | 読書メモ