本の感想などをつらつらと。


by nino84
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「著作と文体」

「著作と文体」(ショウペンハウエル、『読書について 他二篇』岩波文庫収録、斎藤忍随訳)を読みました。

著作者には事柄そのもののために書く者と、書くために書く者がいる。後者は書くことで金銭を得るので、その文章は無駄に長くなる。その結果、その著作は不自然になり、明瞭さが失われていく。だが、何が無駄なのかさえ分からぬ著作者は、文章が短いことが美徳とされるとなれば、必要であるはずの部分さえも省いていく。これでは国語が荒れる。
また、金銭を得るために書く場合には、既存のものを加工したり、批判したりすることがもっとも手っ取り早いが、それは本来の思索をゆがめる行為であり、決して褒められない。そもそも、批判を匿名でやることは、著者の保護などでなく、責任逃れであるといえる。


色々書いてありますが、多くは国語の保護を訴えている感じ。ここでいう国語とはドイツ語なので、シラブルや時制の話が多く出てきて中盤話が見えにくくなりましたが、それはそれ。

枚数や文字数が指定された文章を書くことはよくあります。そうした場合には、悪いことではあるのですが、片づけ仕事になりがちで、細く、長く、曖昧にして枚数を埋めることに必死になりもします。
また、単純化についていえば、日本語は、シラブルを削ることは少ないと思いますが、「うざい」という言葉で多くの負の感情をまとめて表してしまうなど、語彙を少なくするような例はいくらでも見つかるように思います。
どこの国でも、いつの時代でも、内情は同じと言うことでしょうか。そもそもどこからを自然な変化とし、どこからを乱れとするのでしょうね。

それから、匿名の文章です。匿名の文章はインターネットの普及によって、大変な勢いで増加しています。機会が与えられるのは良いことだと思います。それを書く方にも最低限の責任(先日やっておいてなんですが、客観的な情報を間違えないことなど)はあると思いますが、読む方が書いてあることを消化することも必要な能力なのだろうと思います。


この文章がそもそも匿名なので、ここで批判したりしても全く説得力がないですね。というか、完全に書いてる側からの意見になってますね。


自分の感想に「人」という不特定多数を指す単語を一入れてみるなど、かなり、この作品に照らせば、多くの修正されるべき点が指摘されたように思う。
全体的に耳の痛いお話でした…。
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by nino84 | 2006-08-17 23:47 | 読書メモ