本の感想などをつらつらと。


by nino84
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「屋根裏の散歩者」

「屋根裏の散歩者」(江戸川乱歩、『江戸川乱歩傑作選』新潮文庫収録)を読みました。

郷田三郎は何をやっても面白みを感じなかった。彼は、頻繁に家を代えたりもしているのだが、それも退屈しのぎの一端である。
さて、今度彼が越してきたのは東栄館という新築の下宿屋であった。ある時、彼は自室の押入の天井から上手い具合に天井裏へ抜けられることを知る。その日から、彼の屋根裏散歩が始まる…



久しぶりに、映画の感想を書いて、また乱歩に戻ってきました。ちなみに、『江戸川乱歩傑作選』はコレを含めてあと4編です。なかなか多い。傑作選だけあって、内容も濃いので、面白いです。が、ふと気づくと少年探偵団や怪人二十面相は出てこないですね。

閑話休題。この作品も、明智小五郎が登場します。ただ、この作品では落ちをつけるためだけに存在しますので、あまり大きな扱いはされていません。あくまで主人公は郷田三郎です。
郷田三郎も「赤い部屋」の登場人物と同じように、何に対しても興味を覚えられない人です。この作品では、「赤い部屋」に比べて、犯罪に手を染めるまでの過程が段階を踏んで丁寧に書いてあります。
終盤までの展開は「赤い部屋」よりも面白く読めました。郷田が、一般人に近いところから徐々に変化していき、何かをなした後もより人間的な反応(と思えるもの)をしているからでしょう。ただ、オチに関しては、深層心理を絡めて書いてあり、どこかしっくりしませんでした。
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by nino84 | 2006-08-25 23:42 | 読書メモ