本の感想などをつらつらと。


by nino84
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「人間の大不調和」

「人間の大不調和」(筒井康隆、『日本以外全部沈没 パニック短篇集』角川文庫収録)を読みました。

おれは大阪万博に朝イチで訪れた。その片隅で「ソンミ村館」というのを見つけたのだが、まさかソンミ村が出展しているはずはないし、あまつさえ銃声やうめき声が聞こえてくる…


万博といえば、昨年、愛・地球博が開催されましたが、この作品は大阪万博を舞台にした作品です。
万博は各国のPRの場という意味が強いから、各国はそれぞれの良い部分、美しい部分を強調する。すると、各国の問題はないものとして扱われてしまうことになる。でも実際には隠された問題はそのまま残っているわけで、万博を一歩離れたら、またその問題に取り組まなければいけない。

当時、最大の国際問題といえばベトナム戦争だったのだろう。万博で浮かれているけれど、そのうらではこんなことが起こっているのを忘れてはいないか、という作品。もちろん、国際問題はベトナム戦争という書かれたときに現代の問題であったものだけでなく、過去に積み残した問題だってある。それを浮かれて忘れてしまうのは、問題なのではないかと、そういう作品。

もちろん、過去の問題に関してはいろいろ難しいこと―本当にそうした事件があったのか否か―もあって、簡単に解決できる問題ではないのだが、少なくとも忘れていい問題ではない。
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by nino84 | 2006-10-25 22:30 | 読書メモ