本の感想などをつらつらと。


by nino84
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「ワイド仇討」

「ワイド仇討」(筒井康隆、『日本以外全部沈没 パニック短篇集』角川書店収録)を読みました。

時は幕末。おれは旦那様の仇討のための旅をしている。そこに、一人の猿回しが、仇討ちに協力するから自分の仇も探してほしい、といって一行に加わった。
その後、その話を聞きつけて我も我もと同志が集まり、一行は次第に大きく、そして有名になっていく。



仇討というのは結局、メンツの問題であって、それをしなければいけないという雰囲気が幕末では残っていた。だから、仕方なく仇討をしようということになる。ただし、仇討するには仇を探さなければならず、そのためには旅をする必要がある。旅には金がいる。みんな自分の意志で仇討の旅に出たのではない人だから、収入が安定すれば、それで仇討なぞしなくてもいいのではないかという気になる。特に、時代が明治に変わってその傾向は加速していく。
それでも、やはり「仇討をする」ために旅をしているということで有名になっているのだから、有名になったぶん仇は見つかりやすい。見つかってしまえば、結局場に流されて仇討をすることになっていく。

おいつめられると、人って何するか分かりませんね。そうですね。これは仇討なんかさせちゃいけませんね。という作品。さすがパニック短篇集。
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by nino84 | 2006-10-29 11:04 | 読書メモ