本の感想などをつらつらと。


by nino84
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「孤独な自転車乗り」

「孤独な自転車乗り」(アーサー・コナン・ドイル、大久保康雄訳、『シャーロックホームズの復活』ハヤカワ・ミステリ文庫収録)を読みました。

ミス・ヴァイオレット・スミスが私たちのところを尋ねてきたのは1895年の4月23日であった。なんでも毎週ロンドンに帰ってくるまでの駅への道のりで、自転車に乗った怪しげな男につけられているというのだ。その男はなにをするでもなく、一定の距離を保ってついてくるだけだという。


少し今までの作品とは毛色の違った作品のように思います。人が死なないと言うのが、まずあたらしかったりするのですが、それはそれ。
ホームズの活躍というよりも、この作品では人間の感情そのものに焦点が当たっているように思います。他の作品もホームズが依頼を受けてそれを解決するのですから、同じプロットのはずなのですが、この作品ではホームズはたまたまそこに立ち会ったに過ぎない、という印象を受けます。

ホームズの活躍を見たいという人には少し物足りない作品でしょう。一方で、彼の超人的な活躍よりも、より身近な人間の織りなすドラマに目がいくようでしたら、ホームズというキャラクタのおかげで少し違ったかたちでそれを楽しめるようになっているように思います。
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by nino84 | 2006-11-10 22:46 | 読書メモ