本の感想などをつらつらと。


by nino84
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「ブラック・ピーター」

「ブラック・ピーター」(アーサー・コナン・ドイル、大久保康雄訳、『シャーロック・ホームズの復活』ハヤカワ・ミステリ文庫収録)を読みました。

1895年のある時期、ホームズはウッドマンズ・リー事件というのを独自に調査していた。
その後、警察が助力を求めるにいたり、ホームズはワトソンとともに、事件現場である港町へと出向いた。殺されたのはピーター・ケリアという男で、自分の家のはなれで漁をするための銛でひと突きにされていたという。



一連のホームズ作品の中では、ホームズの理にかなっているのだけれど、一見するとよく分からない行動、というのをよく見かけます。個人的には、その意図が分かったときの驚きと、その行動を一見したときのおかしさというのが同居していて好きです。
今作も、冒頭でホームズが突然「肉屋に変装して、肉屋で豚を槍で串刺しにしてくる」という行動を突然やらかします。肉屋の格好で大まじめに豚に槍を繰り出すホームズ…シュールだ。

閑話休題。今作は因果応報というのがしっくりくる作品でした。殺されたピーター・ケリアにしても、その犯人にしても、です。
ミステリ作品で、人の悪い部分を書かなければならないことが多いのは仕方がないことなのでしょうか。時に、そうでない作品もありますが、多くのミステリはこういうものなのでしょう。
最近は恨みのネタがつき始めて、よくわからない理由で人が死ぬ作品もありますが…。あれは酷いですね。推理を披露し終わった探偵かまわりの人が犯人の自供の後に一言、「そんなくだらない理由で(殺したの)」と言えばとりあえず済んでしまうような風潮があるように思います。トリック思いついてもそれを実行に移す動機が浮かばないからって、そんな逃げ道は作らないでほしい。
今回は良く話がそれますね…。


それにしても、なんだかんだでホームズという人物のつかみ所がなくなってきました。超人的な人物である、というのですでにつかみ所はないのですが、彼が時に人情深い一面を見せたり、茶目っ気を見せたりすると、本当にどれが彼の本性だかわからなくなります。
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by nino84 | 2006-11-13 21:23 | 読書メモ