「金縁の鼻眼鏡」
2006年 11月 25日
「金縁の鼻眼鏡」(アーサー・コナン・ドイル、大久保康雄訳、『シャーロック・ホームズの復活』ハヤカワ・ミステリ文庫収録)を読みました。
激しい嵐の夜、ホームズを訪ねてホプキンズ刑事がやってきた。なんでもヨクスリーの古い屋敷で殺人事件が起きたという。遺留品には殺人に使われた凶器や金の鼻眼鏡、そして侵入時の足跡さえ残っているにもかかわらず、犯人の消息がまったくつかめないという…。
状況から密室である殺人現場から犯人が忽然と消える。遺留品は多く残っており、「先生、あの女です」というダイニング・メッセージもあるにもかかわらず、どこにいったかわからない。外へ逃げていったと考えても、犯人の帰りの足跡がないのという致命的な欠陥がある。
多くの遺留品が残っているというのは、まったくない場合と異なり、推理を展開しやすいことから、なかなか面白く読むことができた。遺留品がないと何もないところから物語を作らなければいけないが、何か残っていればそこから物語を作り出すことは比較的たやすい。もちろんそれらの遺留品相互、そして状況も含めて矛盾のないように物語を作らなければいけないのだから、それなりに難しい。しかし、一度物語をつくってしまえばそれをたたき台にして試行錯誤できるという点で遺留品がない場合とは異なる。
一方で、遺留品が多ければそれだけ答えが導かれやすくなってしまうわけで、著作者としてはバランスが難しいと思われる。実際、この作品も一ひねり加えられていて、読者が創造しないであろう部分をしっかりついてきたな、という感じがします。
ただ、やはりどこかで見たことがあるパターンにはまっている気がするのはもう仕方ないのでしょうね…。
激しい嵐の夜、ホームズを訪ねてホプキンズ刑事がやってきた。なんでもヨクスリーの古い屋敷で殺人事件が起きたという。遺留品には殺人に使われた凶器や金の鼻眼鏡、そして侵入時の足跡さえ残っているにもかかわらず、犯人の消息がまったくつかめないという…。
状況から密室である殺人現場から犯人が忽然と消える。遺留品は多く残っており、「先生、あの女です」というダイニング・メッセージもあるにもかかわらず、どこにいったかわからない。外へ逃げていったと考えても、犯人の帰りの足跡がないのという致命的な欠陥がある。
多くの遺留品が残っているというのは、まったくない場合と異なり、推理を展開しやすいことから、なかなか面白く読むことができた。遺留品がないと何もないところから物語を作らなければいけないが、何か残っていればそこから物語を作り出すことは比較的たやすい。もちろんそれらの遺留品相互、そして状況も含めて矛盾のないように物語を作らなければいけないのだから、それなりに難しい。しかし、一度物語をつくってしまえばそれをたたき台にして試行錯誤できるという点で遺留品がない場合とは異なる。
一方で、遺留品が多ければそれだけ答えが導かれやすくなってしまうわけで、著作者としてはバランスが難しいと思われる。実際、この作品も一ひねり加えられていて、読者が創造しないであろう部分をしっかりついてきたな、という感じがします。
ただ、やはりどこかで見たことがあるパターンにはまっている気がするのはもう仕方ないのでしょうね…。
by nino84
| 2006-11-25 17:00
| 読書メモ