本の感想などをつらつらと。


by nino84
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「MISFORTUNE」

「MISFORTUNE」(安井健太郎、『ラグナロクEX. MISFORTUNE』角川スニーカー文庫収録)を読みました。

凄腕の傭兵、リロイ・シュヴァルツァーは地方貴族の娘の護衛の仕事をしていた。ほかの傭兵は闇の眷属(ダーク・ワン)を恐れて逃げてしまい、護衛対象と2人きりだ。
じゃじゃ馬な娘の子守りをしながら、それでも仕事だからと護衛を続けるのだが…



一言でいうと、アクション漫画です。主人公、リロイの活躍を楽しみましょう。また、キャラクタはそれぞれに個性的で、今回の護衛対象である地方貴族の娘も一癖あるキャラクタにしあがっています。
作品の落としどころは作品途中でおそらく予想がつくようなものですが、収まるところに収まったということで、読後感はいいと思います。


ところで、この作品、角川のスニーカー文庫ですので、一般にいうところのライトノベルということになるのでしょう。
よくライトノベルの定義とはなんだ?ということが言われますが、個人的には、「キャラクタをメインにした作品で、少年漫画らしい作品」であると思っています。少年漫画にももちろんストーリーはあるのですが、漫画である以上、キャラクタの魅力がその大きな比重を占めるわけで、そういう部分でライトノベルというのは漫画に近いといえます。つまり、一般の書籍がキャラクタとストーリーへの重み付けが後者に対して大きいのに対し、ライトノベルでは五分、あるいは前者に重み付けがされるという部分で異なるのだと思っています。
余談ですが、個人的にはこう考えているため、ノベライズはライトノベルの範疇にはいります。
別の視点で考えれば、ライトノベルの多くは絵師がキャラクタをメインにした挿絵をつけますから、絵の量が減った漫画であるという認識も可能です。どちらにしても、漫画にかぎりなく近い形式の作品であると思います。

ライトノベルというのは一般に敬遠されているようですが、漫画から小説へと移行するためにはよい作品なのではないかと思います。ストーリーの内容は限りなく漫画なのですから、その他の作品に比べて読みやすいと思います。また、漫画に近いということで、多くのコミカライズ作品もありますから、それもライトノベルを読みやすくするものであるといえます。

ちなみに、ライトノベルで文章を読む楽しさを覚えれば、順にライトノベルからその他のジャンルの作品へとも移行しやすいと思うのですが、どうなのでしょう。乙一さんや西尾維新さん、あるいは一部の舞城王太郎作品などはライトノベル的な部分もありますから、こうした作品を経由してその他の作品へと移行していくというのもありだと思うのですが…。

位置付けとしては面白い位置にあると思うのですが、いかんせん漫画を読む層と活字を読む層とが乖離しすぎてしまって注目が集まらないというのが現状でしょうか。こういう現状だと、中間をつなぐというよりも、周りから浮いた作品ということになってしまうのでしょうね…。
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by nino84 | 2006-11-29 00:54 | 読書メモ