本の感想などをつらつらと。


by nino84
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「剣の断罪」

「剣の断罪」(安井健太郎、『ラグナロクEX. MISFORTUNE』角川スニーカー文庫収録)を読みました。

リロイが山中で助けた少年は、自分の姉を助けるため、一人盗賊のアジトへとむかうのだという。お人よしのリロイはそれについていくことにしたのだが…。


もう少し丁寧に過去のエピソードを考えていたらもっと面白かったのでしょう。たしかこの作品は『ラグナロク』シリーズの初期に書かれた作品だと記憶しているので、多くを求めるのはなんとなく気が引けるので、あまりそういうことを指摘するべきでないのかもしれません。
とりあえず、この作品もリロイが闇の眷属(ダーク・ワン)と呼ばれるものたちを切り伏せる爽快感、というかいっそグロイ感じはよく出ています。『キル・ビル』みたいな感じでしょうか、なんとなくそう思います。

で、最初に指摘した過去のエピソードについてですが、なぜリロイが助けた少年、ケインは姉がその婚約者であるジョシュアを嫌いだと断定したんでしょうか。描写がないのでまったくわからないのですが、後半の「僕が子供だった」の一言で、貧乏である姉は金持ちなんか嫌いに決まっているんだ、と思っていた、ということになっているのでしょうか。それは少し強引な気がします。
一応、最後のジョシュアとの一件については複線が張られていたのですが、ケインの気持ちの部分だけなんとも浮いているように思えました。無理に感動を作り出そうとすると逆に安っぽくなりますよね。個人的には『ラグナロク』なのだから、いっそ誰も救われなくてもいいような気がします。ただ、実際には「ちょっといい話」系の作品が多いようにも思います。
基本的にリロイがヒーローなので、「ちょっといい話」が多くなるのは仕方ないのですが、残虐描写があれだけあると、誰も救われなくても大丈夫な気がしてなりません。なんていうか『涅槃姫みどろ』みたいなのはどうでしょうか。いや、主人公の性格上、そういった展開が無理なのはわかっているのですが…。
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by nino84 | 2006-11-30 00:58 | 読書メモ