本の感想などをつらつらと。


by nino84
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『ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記』

『ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記』を観ました。

かつてリンカーンを暗殺した男の日記から暗殺の首謀者として先祖の名が発見された。そのことを知ったトレジャーハンター、ベン・ゲイツは自らの先祖の汚名を晴らすため、日記に記されていた暗号の解読を試みる。


個人的にアドベンチャー(でいいのか?)というジャンルの映画はあまり観ないので、それだけで新鮮だったのですが、こういうのこそ映画らしくていいですね。映像ありきの作品とでも言うのでしょうか、動きの中での切迫感は文章よりも映像のほうが伝わってくるように思うので。
特に本作は暗号を順に解いていくという形をとり、暗号解読⇒目的地へ潜入⇒暗号入手・解読⇒目的地へ…ということを繰り返し、山場を切らさない、スピード感が感じられました。スピード感は文章ではなかなか出せませんから、こういうスピード感を感じられるというのも映画のいいところでしょうし、本作はそれが十分に備わっていたと思います。もちろん、文章でも『マルドゥック・ヴェロシティ』(冲方丁)みたいな作品もありますが、結局読み方は読者まかせになりますから、製作者の意図したように読ませるのは難しいでしょうし。
また、登場人物間のやり取りがエンターテイメント然として、ところどころでクスリと笑えるものになっています。それもまた作品のリズムを生み出していたと思います。動きがなく単調になりがちな暗号解読、潜入の計画のパートは出来る限りユーモアを用いてリズムをとっていたように感じました。
さらに長距離移動の多い本作にあって、そうした移動の部分は完全にカットされています。その結果、まさにつぎつぎと謎、という作品になっています。『ダヴィンチ・コード』(ダン・ブラウン)もそうでしたが、つぎつぎと小さな山場を作っていき最後のクライマックスまで持っていく作品というのは、エンターテイメントとしてはテンションが落ちずに面白いものになりやすいかな、という印象を受けました。もちろん、変につくるとただ観るのに疲れる映画、ということになりますが…。


さて、これまでは全体的な雰囲気の話をしてきましたが、ここからは内容についていくらか。
本作の目的は言ってしまえば過去の遺産捜しなので、最終的に遺跡に潜入ということになります。そうなると当然ですが、トラップなどでアクション要素が生まれてくるわけです。主人公もいいかげん中年のおっさん(ニコラス・ケイジ)なので、正直がんばるね、という感じでした。いや、良い意味で。
ですが、それ以上におじいさんとおばあさんがアクションという、なんかあまり他の映画で見ない場面が観られたりします。まぁ、すこしではありますが。その辺もお楽しみということで。


あとはツッコミどころはいろいろありますが、本質ではない(という風な見方を私がした)と思うので、あまり問題ないでしょう。エンターテイメントとして十分に楽しめる映画でした。


といいながら、とりあえずいくつかあげてみる。以下たぶんネタバレ。
まず、敵が基本的に良い人なんだね、という。いや、ディズニーだからなのかなんなのか。「私の家系の名を、歴史に残したかった」というのが、ホントに犯行動機だったのね、っていう。そこでも愛国心というか、そういうものがでてくるんだ…。骨董の闇取引うんぬんっていうあきらかに財宝そのものが狙いです、ってほのめかしていたのに、それなんだ、と。いや、人の考えなんてそれぞれだから、「これについてはそう思った」ってのはありかもしれないけど、作り物なので文脈は大切にしてほしいなぁ、と。
あ、もしかして、冒頭の「私の曽曽祖父がうそをついているとでも!?」が複線ですか?挑発にしか見えなかったけれど…。

で、あとは例の本の47ページね。これはツッコミどころ、というか、まぁ、演出なのでいいのですが、気になるよね、っていう。
可能性としては、「製作者のおれも内容は考えてないけど、なんか謎が残ってたほうが作品として余韻がのこるんじゃね?」という実も蓋もないものとか、「衝撃的だろ?ではいってらっしゃい(次回作の複線)」とか、「実はリンカーン暗殺の真犯人なんて物的証拠も含めてわかってたんだぜ」というもの、あとはバリエーションで「お前の曽曽祖父の話、実は知ってるよ。真犯人は分かってるって」とか、考えてみました。
該当ページが活字だったので、そんなに古い時代のものではないと考えると、後半2つは説得力に欠けるように思います。主人公たちは遺跡をみつけるために泳がされていました、ということになって、大統領すごいね、ということになるのかもしれませんが…。
結局2つ目が一番無難な線かと思います。次回作もう決まってるのでしょうか?
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by nino84 | 2008-01-13 23:59 | 視聴メモ