本の感想などをつらつらと。


by nino84
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「渡りの一日」

「渡りの一日」(梨木香歩、『西の魔女が死んだ』新潮文庫収録)を読みました。

休みの日の朝。まいはショウコの家を訪れた。山へサシバの渡りを見に行こうと約束していたのだ。しかし、まいがショウコの家を訪れたとき、ショウコは寝起きで、せっかく立てた計画も変更せざるをえなかった。


どうも雰囲気が出ない導入紹介になってしまいました。梨木さんの文章は私にはなかなか近づけない類のものみたいです。女の子目線の三人称だからでしょうか。

閑話休題。この作品は表題作「西の魔女が死んだ」の後日談という体裁をとっています。すなわち、登場人物であるまいは、「西の魔女…」でおばあちゃんと魔女修行をしていた女の子です。本作では、引越しをしてきた新しい中学校での友達とのやりとりが描かれています。
「西の魔女…」よりも対象年齢が低めであるように感じましたし、何気ない友人関係の形を描いているように思います。そのため、小学校の教科書に載っていそうな作品だな、という印象を受けました。適当に下線を引いて「まいが思ったことを文章中から…文字以内で抜き出して書きなさい(ただし、句読点も一字として数える)。」というのがやりやすそうな文章でした。
こういう感じの文章は久しく読んでいなかったように思うので、新鮮でした。

内容については、先ほども少し言いましたが、まいとショウコの何気ない友人関係の形を描いたものになっていると思います。
そういえば、ショウコの母が後妻のような描写があったりするのですが、特になにも絡んでこなかったのは、ショウコの性格形成の根拠をそのあたりに託したからでしょうか。
いずれにしろ、まいとショウコという性格の違う二人は、その性格の違いゆえに微妙なすれ違いをしています。相手の行動原理を自分の行動原理に置き換えるために根底を読み違える。言葉で説明しなけりゃ分かんないよ、っていう場面、日常ではよくあることではあるように思います。中学生の友達同士の勘違いですから、それほど泥沼にはなりませんけれど。
でも、子どもにはこのくらいが分かりやすいんじゃないだろうか、オチも含めて全編そんな感じでした。子どもを侮っているようでしたら、すいません、ですが。
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by nino84 | 2008-01-28 15:06 | 読書メモ