本の感想などをつらつらと。


by nino84
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「サンタ・クロース対スパイダー」

「サンタ・クロース対スパイダー」(ハーラン・エリスン、伊藤典夫訳、『世界の中心で愛を叫んだけもの』ハヤカワ文庫収録)を読みました。

クリスは、九月半に鳴った電話で呼び出された。S.P.A.I.D.E.Rと呼ばれる団体、そいつらはアメリカ国内の8人の精神に取り憑き、何かをおこそうとしているらしい。結局、クリスはS.P.A.I.D.E.R対応のため、武器を詰め込んで太りすぎた特製の赤いスーツを着込み、アメリカ中を飛び回るはめになった。


2日ほど間があきましたが、あいかわらずハーラン・エリスンさんのSF短編小説集からです。


さて、今作はタイトルどおり、サンタ・クロースがS.P.A.I.D.E.Rと戦うお話です。
とりあえず、パロディーを楽しんでおいたらいいのではないかと思いました。一応、当時のアメリカを風刺した作品でもあるようですが、当時の有名人ですから、私にはほとんどわかりませんでした。結局、その人物そのものがやっていること、というよりは一般的な話―世の中にはこういうことをやってる人がいる―としか受け止められず、当時読んだらまた違った読み方になったんだろうな、と読後に思いました。
とはいえ、オチについていえば、そこまで実在の人物だからどうというわけではなく、うまく一般化したかたちでオチていたように思います。S.P.A.I.D.E.Rとの決着のつけ方については「どうなんだそれは…」とツッコミを入れたくはなりましたが。


話をあまりに単純化するとせっかくのパロディー小説が面白くなくなるのですが、ひとつだけ。
立場としては、性善説に立ってるってことでいいのだろうか。どこにでもS.P.A.I.D.E.Rは存在するから、せいぜい気をつけろ、くらいで終わっているということはそういうことなんだと解釈しました。現代の世の中にもS.P.A.I.D.E.Rは存在していて、今もサンタ・クロースはそれと戦っている、っていう。
(忙しいから、プレゼントがなくても怒らないであげてね、ともいいたかった…ことは、たぶんないでしょうね。)


それにしても、「現代の世の中にもS.P.A.I.D.E.Rは存在していて、今もサンタ・クロースはそれと戦っている」。こうやって、書いて思いましたが、こういう余韻の残し方をされると、子どもあるいはファミリー向けのアクション映画のようですね。たぶんあまり間違っていない認識だと思いますが、どうですかね。
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by nino84 | 2008-02-07 16:48 | 読書メモ