本の感想などをつらつらと。


by nino84
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『Corpse Bride』

『Corpse Bride』を観ました。

魚屋が成功し、成金となったヴァン・ドート家は、貴族であるエバーグロット家と婚姻関係を結ぶことで家系に箔をつけようと計画する。政略結婚とはいえ、ヴァン・ドート家の跡取ビクターとエバーグロット家の娘ビクトリアは結婚式の前日初めて出会い、互いに惹かれあう。
しかし、ビクターは誓いの言葉を覚えることが出来ず、結婚式は延期。ビクターは失意の中、町外れで誓いの言葉を繰り返す。そして偶然、死者の女に誓いの言葉をのべることになり…



久しぶりに映像作品です。先週末にレンタル料が安かったのでなんとなく借りてきました。以前なら2クールのアニメ作品を平気で借りてきたのですが、最近はそんなに観たい作品があるわけでもなく、そんな元気がなく、そして時間もないということで、簡単に観られるものを探してしまいます。

さて、今作はストップモーション・アニメ―人形を少しずつ動かして写真をとっていき、連続して動かすことで動画にする手法―で作られた作品です。実は前回の視聴作品『スウィーニー・トッド』に引き続きティム・バートン、ジョニー・デップコンビの作品だったりします。ティム・バートンはともかく、声優陣は誰も知らなかったので、全くの偶然ですが。

作品としての世界観は非常によく練られています。生者の世界と死者の世界の対比は分かりやすかったと思います。
生者の世界は政略結婚に現れているように階層がはっきりとしており、なにはともあれ金が必要で…と縛られるものが多い。一方、死者の世界には縛られるものがない。生者が死者のように、死者のほうが生者のように描かれるのである。この世界が決まりごとだらけで生きにくいというのはなんとなく納得する部分かな、と思いながらも、そのあたりを見事に表現できています。
表現方法としてのアニメーションという方法が、死者を死者らしく見せないこと―もちろん、一見して死者だと分かるのですが―に大変大きな役割を負っていると思います。実写でやるとおどろおどろしくて観ていられないでしょうから。
こうした世界観の構築はとてもよかったと思います。

次は話の内容について。話としては分かるのです。肉体は滅びようがなんだろうが、精神は死なない。それはいいのです。そのために世界をつくり、必要な駒も十分にそろえられていたと思います。大きな筋としては、納得できる話になっています。
しかしながら、その駒の登場のさせ方が雑…というか、なんでしょうね。登場人物が揃った段階で、オチがほぼ正確にわかるというのは、個人的にいただけない部分でした。
もちろん、予定調和でそれはそれで良いという評価もできなくはないのです。ただ、この作品は予定調和が過ぎるのです。心情からなにから私の予想がほとんどそのまま展開していくのです。オチに到達するまでに「あぁ、このオチは確かに感動するな」と冷静になれる時間があってはいけないと思うのです。

大きな話の流れがハッピーエンド(?)なだけに、それまでにいくつか裏をかいた展開が欲しかったように思います。いっそ、主人公死ぬ、くらいの。
そう、主人公死ねばよかったんですよ。むしろ、みんな死ねばよかったんです。
あるいは、"あの男"が登場した瞬間に物語がすべて了解できてしまうことが問題なので、"あの男"をもうすこし慎重に導入するとかでもいいのか。


そんなわけで、個人的には世界観を楽しみましょう、という作品になってしまいました。そして、オチは感情の赴くままに観たいよね、ということを再認識しました。
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by nino84 | 2008-03-11 10:03 | 視聴メモ