本の感想などをつらつらと。


by nino84
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『だから、あなたも生きぬいて』(大平光代)を読みました。

著者は中学生のときの転校を気に、いじめを受け、自殺を図った。だれも自分と真剣に向かい合ってくれないと、自暴自棄になり、ドロップアウトしていく。しかし、ある人との再会を期に、過去を乗り越え、生きていく決意をする。


友人に薦められて読みました。ノンフィクションです。

いじめの被害者の気持ちが正直に書いてある本で、かつ読みやすい本というのはそんなに多くない。この本はそういう数少ない本の1つだろう。著者の立ち直る際の努力というのも、素晴らしいと思う。しかし、やはりそれよりも序盤のいじめられているときの心境であったり、世界の見え方であったりの描写が良い。
法学部の友人が「司法試験一発合格、ってのが信じられない。マジか、これ。」と言っておりました。読む人によってはそこが中心に見えるのかもしれません。僕はその辺のことはよく分かりません。

ちなみに、結局2時間くらいで読んでしまいました。心が洗われました。が、なんかきれいになりすぎたようなので、次に読む作品は反動化することが確定いたしました。そして、実はもう購入しました。かなり振り切れたものです。
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by nino84 | 2005-11-30 10:30 | 読書メモ
『小説 ドラゴンクエストV』(久美沙織)を読みました。文庫版です。

時間が空くと、なんとなく本棚にある本を手にとって読んでしまう。今回はたまたまこれだったというだけのこと。ただ、3冊あるということを失念していたため、時間をつぶすというよりものすごく時間を浪費したような気がする。前回の『オーラバトラー戦記』(富野由悠季)は全10巻なので流石に読み切る気にならなかったのですが、なまじ3冊だと読んでしまいます。

タイトルから分かると思いますが、言わずとしれた某有名ゲームのノベライズです。従って、あらすじは書くまでもないと思いますが、どうですか?大まかな流れは変わりません。ただ当然ですが、主人公が「はい・いいえ」以外の言葉を喋ります。主人公が喋るとこんなに人間関係をややこしくできるんですね。

そもそもゲームの時のシナリオがいいんですよね。主人公が勇者じゃない!っていう設定とか、その勇者が主人公の子どもだとか、主人公が10年奴隷だとか、個人的にはシリーズの中でももっとも気に入っているシナリオの一つです。重いんですけどね、よく考えたら。

そして素材が良ければ、それを土台とした作品も良くなるのが必定。泣けます。いや、ホントに。
親から子、そして孫へと続く3代にわたる物語がしっかりまとめられています。主人公は父の背を見て育ち、やがて子をもうけ自分が父になる…。ファンタジーですから、血統が重んじられるのは仕方がないとして、それでもやはり抱える問題はウソがないと感じる。親への憧れ、親を亡くした悲しみ、子といる喜び、友人との死別・再会の悲しみと喜び。ここには人生がある。

ただし、戦いのシーンを期待するのなら、本書はおすすめできません。モンスターの名前の羅列がリズムを止めてしまっています。今回はその辺はほぼとばし読みしています。何度か読んでいますし、そこが中心ではないと割り切ってますから。


そういえば、すでに出版レーベルであるエニックス文庫がないんですよね。さすがに絶版です。奥付を見たら1994年10月19日初版で、同12月5日に3版…かなり売れてるんじゃないですか?まぁ、単純に印刷数が少ないと言うことも考えられますが。
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by nino84 | 2005-11-20 10:31 | 読書メモ
文章量をみたら予想できると思いますがネタバレです。そのつもりでどうぞ。

……

『機動戦士Zガンダム2 A new translation 恋人たち』を観てきました。

劇場版3部作の第2作目です。第2作目ということで中途半端に始まって中途半端に終わる覚悟がある程度できていたとはいえ、やはり違和感がありましたね。テレビ版でいえば15話~33話くらいだと思います。EDのテロップで確認していたのですが、忘れてしまいました。

さて、この映画展開が早いだけに情報量も多いのです。そのため話の筋にのせて感想を入れていくと膨大な文章量になってしまうので気になったところを順に挙げていくことにします。

前回はアッシマーを退けたところで終わってましたから、今回のオープニングはその続きからです。オープニングをスムーズに展開するためでしょうか、松竹などのロゴが流れているところからすでにオープニングのシーンのBGMが流れていました。ちょっとした工夫だけれど、そういうのもありかなと思います。ちなみに、今作のラストシーンはハマーンの顔見せでした。正直、ラストにしっかりとした山が欲しかった気がします。序盤のホンコンシティーが一番大きな山になってしまっていて、後半うまく山場が作れていなかったという気もしました。

戦闘シーンよりもドラマメインであるというのが全体を通しての大きな感想です。艦隊戦がほぼなく、小規模な戦闘が繰り返されるからという以上に、映画という尺の制限のために話の展開を優先していく必要があったのでしょう。また「恋人たち」というサブタイトル通りの作品にするためだとも言えるのでしょうが。
ちなみに、Zガンダムの強さもそんなに強調されることがありませんでした。せめてそれくらいはしっかり描写してくれても、と思わなくもありません。

今回、映画の尺によってもっとも影響を受けたのは、おそらくカミーユの受け取られ方ではないでしょうか。フォウを失った後宇宙に上がったカミーユはファと再会し唐突に「ヘルメットがじゃまで上手くキスできないな」。この間の現実世界での経過時間があまりにも短いためにカミーユが軽い男に見えます。

ちなみに性格が変わったなと感じたのは上記のカミーユとヘンケンさん、ブライト艦長、クワトロさん、そして「エゥーゴに資金を提供してくれている」ウォンさんでしょうか。カミーユを除いた前記の4人がグラナダで作戦会議をするというシーンが追加されていたのですが、偶然にも、いやおそらく意図的に、彼らの性格描写をしっかりとしていました。
そのシーンで、ウォンさんはただの「修正おじさん」ではなく、きちんと仕事もしているのだということを示しました。彼はやり手だったのです。ブライト艦長は会議中にPCで地球にいる家族からのビデオレターを観ているというほほえましい描写があり、単身赴任のお父さんといった属性が強くなっています。会議終了後にブライトがヘンケンに「カツをラーディッシュで預かってくれ」と伝えると、ヘンケンは「条件がある、エマ中尉もラーディッシュにまわしてくれないか」と答えます。ヘンケンに関してはここだけではなくいたるところでエマ・シーンラブが強調され、より不器用なおじさんとなりました。
さらに先ほどのヘンケンの提案をブライトが呑んだ後クワトロが一言「脈までは保証できませんよ」。彼もひとの子だったのです。冗談だっていうのです。結果、彼の性格に少し人間味が加わりました。

ここまで書いてきて、実はフォウについて一言も触れていないことに気づきました。
彼女とカミーユの絡みは実にしっかりと描かれていました。戦闘シーンもそこそこに、ずっと話していた印象があります。2度目の戦闘シーンで、カミーユがフォウにつらさを吐露するシーンはとても良かったと思う。
「僕は両親が死ぬところを見たんだ!…(中略)…オヤジは若い女を囲って、母さんはそれに気がついても気づかないふりをして…(中略)…あれ、なんでこんなこといってるんだろう…」「カミーユって名前好き?」「好きだよ、自分なんだって感じるから」。…うろ覚えですし、省略もあります。ごめんなさい。でも良いシーンでしたよ。


余談ですが、今回もスタッフロールで立ち上がる人はいませんでした。また、声優陣はサラ・ザビアロフを除いて違和感なかったと思います。
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by nino84 | 2005-11-11 10:55 | 視聴メモ

『インストール』

『インストール』(綿矢りさ)を読みました。

久しぶりに本屋に行ったら普段置いてないはずの河出文庫が置いてあった。それがこの本。他にもたくさん一緒に発売されただろうにこの本だけあって、しかも平積み。驚く。そもそも『文藝』が河出書房からでていると知らなかった、驚く。

作者は綿谷だとずっと思っていたのに綿矢だった、そんなひと。17歳で文藝賞を獲るのがすごいのか17歳でジャンプ小説・ノンフィクション大賞を獲るのがすごいのか、いやどちらもスゴイのだ。比べることがヤボだったね。僕は後者のひとの作品をよく読みます。そういえばこのブログ上でも何冊か感想書きました。

ふむ、なぜか話がどこかへ行ってしまう、反省。いや猛省。

作品としては女子高生が自分崩しをして再構成するというもの。しかも文体は女子高生の一人称。あれ?『阿修羅ガール』だ。どちらも読んだ僕としては『阿修羅ガール』のほうがぶっ飛んでて好き。ありふれたジュブナイルならあれくらいぶっ飛んでるといいと思う。このあたりは個人の好みの問題だね、きっと。

ところで光一はセリフが女っぽいと感じたのは僕だけだろうか。冒頭で男と紹介されたハズなのに途中で女かと思うのはおそらくセリフの影響です。

そういえば、『You can keep it.』っていう書き下ろしの作品の紹介を忘れてました。この作品のおかげでお得感四割り増し、ページ二割り増し。値段は380円よりも安い河出文庫を想像できなかったので考えるのをやめた、無駄。でも値段が二割り増しなら得、四割り増し以上なら損と考えてしまう無駄。人間って無駄だらけ。

終わろうかと思ったけど終れない。解説が見るに耐えないなんか空前絶後。あれは解説というよりただほめた文章でしょ。「完璧ただ完璧」と書けてしまう勇気はほめてあげます。でもなんか違うくない?実は僕が吉本ばななとか山田詠美を読めない人だから伝わらないだけなのかもしれません。コクトーを読めない僕はこの作品も読めていないのかもしれません。でもいいのです。僕の感じたことはそういうことでしたから。


うーん。文体はあまり似ませんでしたね、やっぱり。日本語は難しいなと感じる今日この頃。
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by nino84 | 2005-11-10 10:32 | 読書メモ
『闇を誘う血 BLOOD THE LAST VAMPIRE』(藤咲淳一)を読みました。

実は以前に読んで、本棚の片隅で眠っていた本なのですが、今になって『BLOOD+』という姉妹作品が始まったので、再読してみました。この時期の僕はめったやたらにラノベを買っていた時期でした。その中の一冊でもあります。
ちなみに、著者は『BLOOD+』の監督・シリーズ構成をしているということを確認しました。

さて、それでは簡単にあらすじを、
生きることに希望を失った高校生、叶居歩。ある日、彼は双眼鏡越しに殺人現場を目撃する。彼は、セーラー服を着た女の子が日本刀で人を切る現場を目撃したのである。その後、彼の学校に、その女の子が転入してくる。名前は音無小夜。その名は、以前、見慣れない外国人に知っているかと尋ねられた名前であった。そして彼女が転入してから、学校周辺で、立て続けに失踪事件が起こる。はたして、犯人は誰なのか?

セーラー服で日本刀を駆る女の子という、どう考えても映像重視の作品です。実際、当時はOVA、ゲーム、マンガと様々な媒体で展開されていたようです。時代を超えてまたアニメで展開されたりしているのは少し疑問ではありますが。それは別の話。
話としてはSFホラー・アクション風味といったところでしょうか。犯人は誰かというのが問題になるのですが、どう考えても、ミスリードを誘っているとしか思えない展開なので、ミステリーとしてみるとおそらく不自然なのではないでしょうか。

そして、主人公が青年ですから、この作品を通して、生きるとはなにかを見つけるということも主題にあったりします。収まるところに収まるのですが、ラストシーンを書いてしまうと、謎が謎でなくなってしまうので、書きません。否、書けません。

個人的には、主人公叶居の視点で全編が書かれ、緊張感のある作品になっているのではないかと感じます。先にも書きましたが、露骨なミスリードがいいのかどうかは判断の分かれるところだと思いますが。
また、背景づくりまでこの作品のなかでしていたら、詰め込みすぎな作品だったのでしょう。しかし、様々な媒体で展開されていただけに、背景がしっかりしており、そんなに詰め込みすぎだとは感じませんでした。様々な媒体で展開されていたことの利点はこうしたところに現れるのでしょう。

それにしても、こういう作品はレビューが書きづらくて仕方ありません。もう少し工夫して書かないと、読んだ感想と言うよりは、紹介という程度で終わってしまう気がしています。とはいえ、反省が生かされるのは、次回からです。

以上、約1ヶ月ぶりの読書メモでした。
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by nino84 | 2005-11-05 10:32 | 読書メモ
見たと昨日書いておきながら、視聴メモを書いていないことに気が付きました。おそらく当時の僕は今までと毛色が違いすぎるので書くのを躊躇したのでしょう。

『機動戦士Zガンダム A New Translation 星を継ぐ者』というのが正式名称ですが、新訳の名に違わない出来になっています。

この作品は全3部ということなので、第一作である本作はテレビ版の1~14話までをまとめた作品です。映画でも観たのですが、そのときは尺の短さを説明口調で無理矢理まとめているという感じが少しありました。「エゥーゴの支援組織のカラバか」というクワトロ大尉のセリフが説明口調すぎて違和感があったものです。しかし、あのややこしい話をまとめていこうというのですから、説明口調は仕方がないと割り切れたのかも知れません。今回は、あまり気になりませんでした。

また、20年前の作画と現代の作画とが共存している特殊な作品なのでシーンの切り替えのタイミングによっては少し違和感を覚えます。しかし新訳ということで話の流れを修正しながらそれを行うのですから、スゴイ作品です。齟齬がないというのは凄いことです。

「頭で分かっていても、体が動かなければ…」など、御大の身体論は相変わらず健在。彼のセリフ回しは劇中だけで終わらない意味を持っていることもあるので好感が持てます。
「親にかまってもらわなきゃ、子どもはたまりませんよ」。これは、新たに追加されたシーンでのセリフですが、気になるセリフでした。現代へのメッセージでもあるんじゃないでしょうか。
ちなみにカミーユくんのセリフです。この辺りが彼の性格が少し変わったと見えるところではあります。20年経って、彼は自分の弱さを吐露するそんなキャラになりました。この方が健全ですよね。どんどん内向していった、TV版とは違います、というか違うと信じたいものです。

そういえばライラさんに「パワーがダンチだね」などと当時の流行り言葉を言わせるなどの無茶もしてませんでしたね。むしろ、そういうのも面白かったのかも知れませんが。


さて、ストーリーのディテールのみを述べている様な気がします。アクションもいいんだよ、といっておかなければいけないでしょうね。
で、やはり一番の見せ場はラストのアッシマー戦です。スピード感があり、なんたって「散弾ではなっ!」です。アッシマーってこんなに格好いい機体だったのですね。ちなみに、ブランさんの「散弾ではなっ!」はこの作品の名言の一つだと思います。
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by nino84 | 2005-11-03 10:56 | 視聴メモ