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本の感想などをつらつらと。


by nino84
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『恐るべき子供たち』

『恐るべき子供たち』(コクトー,1929)読みました。翻訳は、鈴木力衛さんです。

とりあえず、なんか微妙…。詩人の書く文章ってのはこういうものなのだろうか?それとも、翻訳に問題があるのだろうか?
よく分かりませんが、なんか受け付け難い作品でした。逆に、よく分からないから、受け付け難いのかもしれません。


閑話休題。物語は、ある少年が雪合戦で雪玉をぶつけられ、倒れることから動き出す…。その少年は、雪玉によって傷つき、勉強をあきらめざるを得なくなった。彼とその姉を中心に、子どもたちの不思議な関係が描かれていくことになる。

この作中では、少年とその姉は永遠の子供だ。あるいは、そういたいと願っているだけかもしれないだが。
友人から干渉を受けようと、2人は外の世界へ積極的に出ては行かない。いずれかが外の世界と関わりを持つようなことがあれば、片方が全力でそれを阻止する。一方で、子どもでいようとする限りにおいて、彼らは外から人を受け入れる。子どもの世界ならば、そのような狭い世界も可能であろう。しかし、彼らは成長してしまう。時間は彼らが子供であることを許さない。
成長によって、人は外へと出なくてはならなくなる。それを拒みつつけた姉は、結果的に弟を死に追いやる。それが、世界の終わりであると気づき、彼女も弟の後を追う。
しかし、そうした行為によって、彼らは永遠の子どもであることを続けた…。


ごめんなさい。自分で勝手に物語を作ったような気もする。
解説を参考に考えると…「好きだから。一緒にいたいから。それを妨げる要因があるならば、たとえ相手が傷つこうと全力でそれを排除する。」っていうことかなぁ…。まぁ、確かにそういうのが子どもだろう。
他人を理解しない、しえない。他人は自分と同じ存在である。そういう感覚を持っているのは。


…えっと、あれです、一見難しそうなことを行っておけば、なんとなく正しそうに見えるという。いや、こういう公のところに書くのだから、むやみやたらに書くべきではなのだろうけれど、自分の考えを整理するためにも、「書く」という行為は有効だと思う。意外と。ということで、納得して頂けませんか?


結論。
僕には、詩人の文章は読めません…。抽象的すぎるんだよ、なんか。
# by nino84 | 2005-08-31 10:40 | 読書メモ

『失踪HOLIDAY』

『失踪HOLIDAY』(乙一)読みました。

性懲りもなく、また乙一さんです。これも、角川、夏の100冊になってます。
実は、レーベルが角川文庫ではなく、角川スニーカー文庫だったりします。『GOTH』は角川文庫だったので、以降は角川文庫になるのでしょう。
スニーカー文庫を100冊の中に入れてしまうほど、目玉の作品がないのか、角川書店?

内容を分類したら、ジュブナイルって感じかな。手軽に感動したければどうぞ、っていう作品です。例にたがわず、短編集というかたちで、表題作『失踪HOLIDAY しっそう×ホリデイ』と『しあわせは子猫のかたち ~HAPPINESS IS A WARM KITTY~』の2作が収録されています。


『失踪HOLIDAY』は、無駄に長いなという印象を受けました。

訳あって、血の繋がらない父と母のもとで暮らしていた菅原ナオは継母とのけんかの末、家出する。しかし、その家出先は同じ敷地内にある使用人の部屋で…。
というのがあらすじです。

個人的な考えですが、家での理由が、親子関係にあるのだから、その気持ちの変化を追いかけるという作品で良かったのではないでしょうか。確かに、作品を多面的に見ることができて、深みがでるといえるかもしれませんが。
また、ミステリ要素をからめることで、最終的な話題の中心がずれているように思いました。親子関係にも、もちろん触れられていますが…変な要素を過度に加えると、感動が半減しません?

余談ですが、要素を詰め込みすぎだ、という理由で、『いま○会いにゆきます』も素直に感動できません。夫があんなキャラクターである意味は何ですか?


『しあわせは子猫のかたち』は、素直に感動できるお話でした。

引きこもりがちな主人公が、大学入学を期に、一人になれる新しい環境を求めてとある一軒家に引っ越してきた。なんでも、その家の前の住民は強盗に殺されてたらしい。そんないわくつきの家に引っ越したその日から、その家の中で奇妙な現象が起こる…。
あらすじはこんなところです。

こっちもミステリ要素は絡んでますが、話題の中心を補完するという形になっているため、あまり気にすることなく読み切ることができました。

「…きみに、この世界を嫌いになってほしくない。…際限なく広がるこの美しい世界の、君だってその一部なんだ」。まぁ、引きこもりに向けた言葉ですがね。いいじゃん、こんなクサイ感じ。個人的には、いいたいことは、ここに集約されてると思います。


スニーカー文庫という一般的にはラノベのレーベルからでてるので、読みやすい作品には違いありません。読書の初心者には良いかも。書きながら思ったことですが、初心者向けという事で角川の人たちは「夏の100冊」に選んだのでしょう。たぶん。

まぁ、あまりスれた人にはお勧めしません。逆に読んでもらってもかまいませんが、僕は、反感を持つのが分かっている人には勧められません。2作ともクサイですから。
# by nino84 | 2005-08-27 10:41 | 読書メモ
先日読んだ『ドグラ・マグラ』ですが、映像作品があったようです。

一読しただけでは、どうにも整理が付かなかったので、とりあえず、探して、見てみることにしました。が、意外と(?)ないのね。これ。
4件目でようやく見つけました。(DVDがあるとのことだったんだけど、VHSしか見つからず…)この時点で、結構つかれたよ。パトラッ…(以下略)

本編105分ということで、収まるのか?と思ったら、結構シーンが整理(カット・まとめ等)されてた。とはいえ、現実(そもそも現実かどうか分からんのだが…)と回想などのシーンを入れ子式にすることで、原作の雰囲気が上手く出せていたと思う。
また、ラストシーンなどは、解釈の仕方によって、どのようにも取れるので、どうなっているのかと思ったら、完全に記憶が戻ったという解釈でいったように見受けられた。そこには、個人的には、すこし違和感を感じないではなかった。もう少しぼやかして良かったように思う。

役者に関しては、桂枝雀の正木敬之がものすごくハマリ役で良い味出してた。主人公がどうも金子貴俊(漢字合ってるか?)に見えて、全編違和感ありすぎ…。いや、僕のイメージ違っていたのも一因だろうがな。主人公は、もっと病的で良いような気がした。
20年くらい前の作品なので、当時の役者でどう、ってのはいえないですがね。

全体的には、かなり満足のいく出来でした。シーンが整理されているので、原作よりも分かりやすいってのは、点数高い。あるいは、二度目だから分かりやすかったのかもしれないが。

ただ、同時に、シーンがカットされている関係から、突拍子もなく衣装が替わっていたりするので、細かな繋がりを重視するなら、原作読んでないと、厳しいかもしれない。また、原作の特徴でもある、ブウウーーンンンではじまり、ブウウーーンンンで終わるのが、再現されてなくて、そこはかとない違和感が…。
# by nino84 | 2005-08-24 10:59 | 視聴メモ