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本の感想などをつらつらと。


by nino84
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『小説 ドラゴンクエスト5』

『小説 ドラゴンクエストV』(久美沙織)を読みました。文庫版です。

時間が空くと、なんとなく本棚にある本を手にとって読んでしまう。今回はたまたまこれだったというだけのこと。ただ、3冊あるということを失念していたため、時間をつぶすというよりものすごく時間を浪費したような気がする。前回の『オーラバトラー戦記』(富野由悠季)は全10巻なので流石に読み切る気にならなかったのですが、なまじ3冊だと読んでしまいます。

タイトルから分かると思いますが、言わずとしれた某有名ゲームのノベライズです。従って、あらすじは書くまでもないと思いますが、どうですか?大まかな流れは変わりません。ただ当然ですが、主人公が「はい・いいえ」以外の言葉を喋ります。主人公が喋るとこんなに人間関係をややこしくできるんですね。

そもそもゲームの時のシナリオがいいんですよね。主人公が勇者じゃない!っていう設定とか、その勇者が主人公の子どもだとか、主人公が10年奴隷だとか、個人的にはシリーズの中でももっとも気に入っているシナリオの一つです。重いんですけどね、よく考えたら。

そして素材が良ければ、それを土台とした作品も良くなるのが必定。泣けます。いや、ホントに。
親から子、そして孫へと続く3代にわたる物語がしっかりまとめられています。主人公は父の背を見て育ち、やがて子をもうけ自分が父になる…。ファンタジーですから、血統が重んじられるのは仕方がないとして、それでもやはり抱える問題はウソがないと感じる。親への憧れ、親を亡くした悲しみ、子といる喜び、友人との死別・再会の悲しみと喜び。ここには人生がある。

ただし、戦いのシーンを期待するのなら、本書はおすすめできません。モンスターの名前の羅列がリズムを止めてしまっています。今回はその辺はほぼとばし読みしています。何度か読んでいますし、そこが中心ではないと割り切ってますから。


そういえば、すでに出版レーベルであるエニックス文庫がないんですよね。さすがに絶版です。奥付を見たら1994年10月19日初版で、同12月5日に3版…かなり売れてるんじゃないですか?まぁ、単純に印刷数が少ないと言うことも考えられますが。
by nino84 | 2005-11-20 10:31 | 読書メモ