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本の感想などをつらつらと。


by nino84
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『亡国のイージス』 ―映画―

『亡国のイージス』を観ました。

随分前から、むしろ映画が公開された段階で、観ようと思っていたのですが、機会がなくいけず、結局DVDで観ることになってしまいました。原作が好きなんで、映画館の大画面で観たかったかも。今更言っても遅いですが。

とりあえず、真田広之さんがよかった。もともと原作も恰幅の良いおじさんが活躍する作品ではありますが、もう、これに尽きる。中の人がおじさんと括ってしまってよい人なのかはこの際おいておくことにします。よかったんだから、それでいいのです。

それにしても、映画にするには少し無理があったように思います。まず全体的に情報量が足りないのが気になりました。辺野古ディストラクション、GUSOH、ダイスといった一見さんには分かりづらい単語が次々出てくるのは違和感があります。そもそも、とても硬派なプロモーションをしておいて、出てくる単語がSF調では多くの人が違和感を感じると思うのです。たしかに、原作を、しかも『亡国のイージス』だけでなく場合によっては前作『Twelve Y.O.』までも、知っている人ならば、出てくる単語の背景知識があるため、了解もできます。しかし、自衛隊までかり出して、お金かけてプロモーションしておきながらこれでは、どうも納得できかねます。ということで、情報の補完のために関連作品である『川の深さは』、『Twelve Y.O.』を映画化しませんか?
たしかにどちらのラストシーンも『亡国のイージス』以上に描きにくそうではありますが…(町中でアパッチ飛ばしてみたり、いろいろ)。

それから、もう一つ気になったのは、ラストシーン。先任伍長に「俺の任務はこの艦を護ることだ」と再三言わせておいて、ああなるのですか?
確かに話の展開から見れば、致し方ない部分もありますが、原作に沿ったラストでなぜいけなかったのでしょう。事件の後日談はあまり盛り上がらないから短くしたいのは映画の制約なのでしょうが、あれは納得できません。たしかに、原作のラストの大どんでん返しも賛否両論あるような気もしますが、せめて後日談は採用して欲しかったと思います。最悪スタッフロールの後ろでセリフなしでもやって欲しかったかと。映画の限界なんて僕は知りませんし、各種団体の意向なんかはもっと知りません。一視聴者として、そう思います。


なんだか、批判に大半を費やす結果に終わってしまいました。ところでまったく個人的なことですが、勝地涼さんはすこし違和感がありました。もう少し線の細い人が良かったのではと思います。いえ、僕のイメージですから、気にしないことにましょう。
by nino84 | 2006-02-10 10:53 | 視聴メモ