「二癈人」
2006年 08月 20日
「二癈人」(江戸川乱歩、『江戸川乱歩傑作選』新潮文庫収録)を読みました。
井原と斎藤は温泉場で出会って、すぐに意気投合した。斎藤は戦争で顔に傷を負い、行く末を見つけられない…。井原もまた心に傷を負い、行く末を見つけられない。
斎藤の話を聞いた井原は、かつて自分が体験した事件の顛末を語り始める…
途中でふと疑問に思っていると、それがとりあえずの答えだったりした。
ただ、その後にやっぱりオチがあって、それが絶妙。最後2行の井原の感情が、いっそ清々しい感じで吹っ切れていて印象的。
素晴らしいマジックはもちろん感動するけれど、あまりに見事だと犯罪だって感心の対象になってしまう。もちろん現実にそんなことはあってはいけないのだけれど、どこぞのテレビでやっているような詐欺師の手口などは、そんなことまでするのか、と思うことはあろう。
それを思うことがいいとか悪いではなくて、人にはそのように感じてしまうことがある、ということを描いているのだろう。
もちろん何かを仕掛ける方は、それが素晴らしかったらやってもいいということにはなりませんよ。それじゃあ、完全に愉快犯です。
井原と斎藤は温泉場で出会って、すぐに意気投合した。斎藤は戦争で顔に傷を負い、行く末を見つけられない…。井原もまた心に傷を負い、行く末を見つけられない。
斎藤の話を聞いた井原は、かつて自分が体験した事件の顛末を語り始める…
途中でふと疑問に思っていると、それがとりあえずの答えだったりした。
ただ、その後にやっぱりオチがあって、それが絶妙。最後2行の井原の感情が、いっそ清々しい感じで吹っ切れていて印象的。
素晴らしいマジックはもちろん感動するけれど、あまりに見事だと犯罪だって感心の対象になってしまう。もちろん現実にそんなことはあってはいけないのだけれど、どこぞのテレビでやっているような詐欺師の手口などは、そんなことまでするのか、と思うことはあろう。
それを思うことがいいとか悪いではなくて、人にはそのように感じてしまうことがある、ということを描いているのだろう。
もちろん何かを仕掛ける方は、それが素晴らしかったらやってもいいということにはなりませんよ。それじゃあ、完全に愉快犯です。
by nino84
| 2006-08-20 20:13
| 読書メモ