「人間椅子」
2006年 08月 27日
「人間椅子」(江戸川乱歩、『江戸川乱歩傑作選』新潮文庫収録)を読みました。
外交官の妻であり、作家である良子は、ある日、一通の封書を受け取る。それには原稿用紙の束が入っていたのだが、表題はなく、手紙のような体裁をなしているものであった。
そして、その原稿に書かれていたのは、何とも奇妙な性質を持った男の話であったのである…
今更ですけど、『江戸川乱歩傑作選』は構成として推理→怪奇というようにだんだん作品のジャンルを遷しているみたいですね。この辺りまでくると完全に怪奇小説の類になっています。「二銭銅貨」が懐かしいです。
さて、この作品ですが、「こういうことはあり得るよね」ともっともらしく書いた作品ですね。もしそれを実行したとしても、どこかで気づくであろう、と思います。それでも、確かに暗に自分がどこにいるかを提示されながらだと、恐ろしくはありますね。僕の部屋にはソファーはありませんが、そういう所にもいるかもしれない、ということを読後に残すことができるのですし。
それにしても、乱歩さんはスカすのがすきなのですか、やられた!という感じがする一方で、またこのパターンか!と思う自分がいるのですが。そんなに彼の作品を読んでいるわけではないで、大きく一般化するのははばかられるのですが、今の僕の感じとして、そんな印象を受けます。
外交官の妻であり、作家である良子は、ある日、一通の封書を受け取る。それには原稿用紙の束が入っていたのだが、表題はなく、手紙のような体裁をなしているものであった。
そして、その原稿に書かれていたのは、何とも奇妙な性質を持った男の話であったのである…
今更ですけど、『江戸川乱歩傑作選』は構成として推理→怪奇というようにだんだん作品のジャンルを遷しているみたいですね。この辺りまでくると完全に怪奇小説の類になっています。「二銭銅貨」が懐かしいです。
さて、この作品ですが、「こういうことはあり得るよね」ともっともらしく書いた作品ですね。もしそれを実行したとしても、どこかで気づくであろう、と思います。それでも、確かに暗に自分がどこにいるかを提示されながらだと、恐ろしくはありますね。僕の部屋にはソファーはありませんが、そういう所にもいるかもしれない、ということを読後に残すことができるのですし。
それにしても、乱歩さんはスカすのがすきなのですか、やられた!という感じがする一方で、またこのパターンか!と思う自分がいるのですが。そんなに彼の作品を読んでいるわけではないで、大きく一般化するのははばかられるのですが、今の僕の感じとして、そんな印象を受けます。
by nino84
| 2006-08-27 16:55
| 読書メモ